以前、「もう使わなくなったから。というか上手く使えないから…(苦笑)」とお預かりしたサイフォン。
20年ほど前のフィルターはもう使えないですし、接続部分のパッキングも硬くなり少し力を加えるとパキッといきそうな状態でした。
ずっと棚に飾るだけでしたが、先日、お入れする機会がありました。
新しいフィルターはしっかりもみ洗いをしてノリを落としセットします。
パッキングはもう製造されていないので、だましだまし使います。
隙間から蒸気が漏れてきます。おしぼりで押さえながら漏れにはちょっと目をつぶって…
ボコボコとお湯が上がり始め3〜4回回したところで40秒待ちます。
やっぱり蒸気が漏れるので、お湯は完全には上がりきりません>_<
火を止めもう一度回し落ちるのを待つ間、シーンと皆さんの視線がサイフォンに集中します。
完全な味にはなりませんでしたが、「また、飲めるとは思えなかった。苦いだけで美味しいとは思えなかったけれど、それでも懐かしいなぁ。」と当時を思い出していらっしゃいました。
味や香りにはそれぞれにしかわからない感覚や想い出があります。
今日、今飲んでいるコーヒーが今度はいつどんな想い出として蘇るのでしょう。